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連載記事「ローカル駅からはじめる自転車散歩」のライターに訊くポタリングロケ裏話

  • #LINZINE

休日に自転車で走りに行った様子や、ポタリング(自転車散歩)中に見つけた素敵な風景、そこで撮られた自転車の写真をネットで見かけることが多い。見応えのある写真をSNSに投稿したり、お薦めのサイクリングルートをブログで詳しく紹介する人が増えている。自由気ままにペダルを漕いで散策しながら色々な発見をするのが本来のポタリングの醍醐味だが、不特定多数の方に読まれる記事に仕上げたり、そのことを通して自転車の楽しさを伝えるためには、綿密な計画や撮影する上での苦労も多分にあるだろう。

サイクリングで出会った風景を緩く紹介する「ローカル駅からはじめる自転車散歩」という連載記事を、DAHONが昨年1月に始めた。輪行(=公共交通機関を使用して自転車を運ぶこと)を利用して降り立った駅を起点に折り畳み自転車でポタリングする記事で、これまでの18ヶ月で20本をUPしている。そのうち16本は関東圏でのサイクリングコースを紹介したもので、参加した経緯や職業も異なる3名のライターが制作に携わっている。今回はその連載記事を陰で支えるメンバー、津田圭さん、スズキさん、萩原淳さんにお集まりいただき、サイクリングコースを考える際のアドバイスや、うまくロケを進めるためのヒントを伺った。

 

Q1:皆さんの職業を教えてください

津田さん「自転車観光ガイド」、スズキさん「編集・ライター」、萩原さん「小さな会社経営」 *津田圭さんはライター業では顔出ししていないためアバターで登場いただいています。

——皆さんの経歴は様々で、自転車散歩記事の制作に携わるようになった経緯も異なります。どんな方が記事を作っているのか気になっている読者も多いと思いますので、まずは簡単な自己紹介からお願いします。

津田さん:自転車観光ガイドや自転車サイトの運営などを行なっています。このお仕事をいただくようになったきっかけはDAHONなどを扱う柏市の橋輪さんです。以前からメンテナンスなどでお世話になっていたのですが、橋輪さん経由でDAHONの輸入代理店のアキボウさんにコンタクトして、制作に加わるようになりました。橋輪さんではロードバイクやDAHONのBoardwalk D7も購入していました。

——自転車観光ガイドというのはどの様なことをされているのですか。

津田さん:海外からの、インバウンドで日本にお越しの方を対象に、バスではピンポイントしか回れない、徒歩だと距離が限られるという問題があるので、風を感じながら自転車で先導して東京をご案内しています。一度にご案内する人数は最大で6名、以前はシェアバイクを利用していましたが、現在は電動アシスト自転車を導入しています。

萩原さん:英語を話されるのですか。

津田さん:ご飯が食べられる程度には…。得意ではなかったのですが英語が好きで、中学の頃は泣きながら勉強していました。泣きながら見るとアルファベットのセリフ(髭部分)がオタマジャクシに見えました。留学はせず、その後仕事で海外で生活していました。

スズキさん:私はフリーランスでライターをしているのですが、もともと自転車雑誌の出版社にいた関係で、アキボウさんからお声がけいただきました。今は自転車が中心ではなく書いたり本を作ったりすることがメインなので、自転車以外のジャンルも扱っています。

萩原さん:僕はK3を買おうと思ってDAHONのブランドサイトを見ていたら自転車散歩の記事を発見して、自分も書きたいなと思ったのがきっかけです。問い合わせページからメールしたところ1週間ほどで連絡があり、それで試しに書かせてもらったのが最初です。

スズキさん:津田さんと萩原さんは立候補なのですね。アクティブですね。

萩原さん:僕は普段は、全国の色々な工務店さんの集客支援のコンサルティングをしていて、Webやチラシの制作、ブログでのコンテンツマーケティングのお手伝いなどをしています。小さな工務店さんは自社のPRが苦手なケースが多いので、こんな思いでこんな家を作っていますといった情報を代行するような形で発信しています。

 

Q2:制作に参加される以前のDAHONのバイクの乗車経験は?

津田さん「Speed Pro TTで高速走行」、スズキさん「役得でいろいろと…」、萩原さん「Dove Plus(改)愛車です」

——DAHONの記事を作られている方はプライベートでもDAHONのバイクに乗っているのか、それとも自転車の達人なのか、なども読者の気になるポイントです。

津田さん:2009年くらいに自宅近くの自転車販売店に行ったところ折り畳み自転車(フォールディングバイク)の専門店で、そこでDAHONに出会いました。乗っていたクロスバイクの修理で立ち寄ったのですが、お店の方とお話ししている間に興味を持って、どうせ買うなら性能の高いものが良いと思いSpeed Pro TTを買いました。ブルホーンバーのスピードが出るモデルで、ちょうど米BusinessWeek誌で「世界で最も速いフォールディングバイク」として受賞していました。小径なのにスピードが出ることに、驚きながら楽しんでいました。

DAHON 2009年モデルカタログに掲載されたSpeed Pro TT。27段変速(内装3×外装9)で9.7kg(ペダルレス)の軽さを実現。

——よく言う話ですが、自転車のスピードはホイールサイズではなくギア比によるので、重いギアを踏める脚力さえあればスピードは出せますよね。

津田さん:あの頃は若かったので脚力があり、結構なスピードを出したこともありましたね。Speed Pro TTは2,000kmほど走って知人に譲り、Curve SLに乗り換えました。その後、交通事故にあったこともありサイクリングロードだけを折り畳み自転車で走りたいと思いCurve D7を買いました。今も乗っていますが、色々カスタムしてフレームフォーク以外は別パーツになっています。

スズキさん:私は仕事で試乗車を色々お借りして乗らせていただいていた中で、DAHONにも乗っていました。DAHONはとにかく折り畳みが楽だと最初から思いましたね。LOCK JAWで「こんなかっちりしたものもあるんだ」と思ったことなど、DAHONの印象はずっといいですね。初めて輪行したのは以前に他社から出ていたとても高級なモデルで、とても軽いのは良かったのですが、距離を走るのはやはり厳しいかなと思いました。その次の輪行は5、60km走るロケでDAHONのMu SLXをお借りしたのですが「あっ、すごいいい」と思って今でも一番好きなモデルです。

画像は2021年モデルのMu SLX(ドライレッド)。DAHON ProホイールにPanaracer Minits Liteが装着された、8.6kgの軽さを誇る20インチモデル。

萩原さん:僕は昔、シティサイクルで日本各地を旅行していたんです。大学時代の友人がいろいろな場所にいるので、新幹線であちこちの町に行き、現地のホームセンターで安いシティサイクルを買ってサイクリングして、最後に友人宅にその自転車をプレゼントして帰ってくるといったことを何度かしていました。ところが、沼津で自転車を買って中伊豆から峠を越えて西伊豆までいった時に、膝が痛くなって全く漕げなくなったんですよ。で、シティサイクルで旅行をするのは無理があるなと思って、ちょうどその頃、友人がDAHONのDash P8を購入したのを知って、自分も折り畳み自転車を買おうと。当時のDAHONのラインナップには14インチはなかったので、DAHONのOEMシールがついた他社製品を買いました。その後、DAHONからDove Plusが発売されたのを知って、Dove Plusに乗り換えました。自分の乗り方に合わせてチェーンリングやシートポストは交換しています。

萩原さんが購入された、2018年モデルのDove Plus(グランドネイビー)。6.97kgと驚異的な軽さを誇る人気モデル。

 

Q3:自転車散歩の楽しさや便利な点は?

津田さん「電車=乗り換え、車=渋滞、自転車=首都圏最速」、スズキさん「迷い放題なところ」、萩原さん「働いた後のメシ旨い感」

——楽に移動したい、写真を撮ってまわりたい、乗ること自体が楽しい、など自転車に乗る目的は人それぞれだと思いますが、皆さんはいかがでしょうか。

津田さん:何処かへ行くのに電車だと駅で待って、乗り換えでも待って、目的地まで駅から歩いて、と時間がかかります。車だと渋滞があるし、駐車場を探さなければいけないし、コストもすごくかかります。首都圏であれば自転車が最速移動手段ではないかと思って、重宝しています。自転車自体は学生の頃から好きで、その当時はお金も無く、交通費の節約にもなったので、自転車で動くことが多かったですね。

スズキさん:私の場合、車だと狭い道に入ってしまった時にどうしようもなくなることがあるのですが、自転車だとそういう心配が全然無いのがいいですね。角を2回曲がると方角が分からなくなるタイプなのですが、多少迷っても引き返すことになったとしても、自転車だと苦にならないですしね。行き当たりばったりで行けるので、自転車は凄くいいと思います。能力の足りないところでも自転車ならどうにかしてくれる的な…。萩原さんのコメントもいいですね。

萩原さん:僕は、夏の自転車旅行が好きなんです。それと銭湯も好きなんです。で普通に銭湯に行くよりも、自転車を1日漕いでポロシャツに塩が白く吹くくらい汗をかいた後に銭湯に入ると、気持ちよさが倍増するんですよね。その後、最寄りの駅で自転車を折り畳んで、近くのスーパーで買ったビールなんか飲んだりするともう最高ですよね。あと、旅先でたくさん走り回ってスーパーマーケットに入ると、冷房がすごく気持ち良く感じますよね。普通のスーパーで飲み物を買うだけの行為なのに得られるあの快感って、車では味わうことのできないことで、自転車っていいなと思いますね。

萩原さん:2年ほど前、真夏に滋賀へ行って琵琶湖を走ったのですが、走り出してほんの5分ほどで(暑さで)死ぬな、と思ったんです。で、琵琶湖周辺には湧水があるのではと思ってスマホで調べたら、地元の方が野菜を洗ったりする湧水がたくさんあって、湧水から少し離れた水溜まりみたいなところで子どもたちがじゃぶじゃぶ遊んでいるので、自分も入ったんです。心臓止まるぐらい冷たかったんですけど、ああいう気持ちよさって車では味わえない経験だと思いますね。

津田さん:激しく同意。ただ真夏の暑い時間は避けるようにしています。夏は6時か7時には走り出し、10時から温泉。15時くらいまでは温泉で待機して、16時くらいから次へスタートというイメージです。

スズキさん:私も前回のロケで、目的地は全部回り終わって後は帰るだけという時に、地図でケーキ屋さんを見つけて寄りました。走った後だと、ご褒美があってもいいかなという気持ちになりますね。

 

Q4:輪行だからこその楽しさや便利な点は?

津田さん「まさかの海外へ!?」、スズキさん「ラク&ミクロ視点」、萩原さん「のぼり坂から逃げられる。(酒飲める)」

——コメントが全然被りませんね。色々な意見が出ました。

津田さん:オーストラリアに行く用意をしているときに、もしかして入るのでは?と気付いてスーツケースに入れて行きました。飛行機でも輪行することで海外の現地でも自由に自転車に乗れるということを、知っていただきたいです。海外では荷物を雑に扱われることが多いので飛行機輪行は困難なイメージがありますが、輪行袋ではなくスーツケースに入れてしっかり梱包すれば問題ないですね。仕事で向こうに行っている2週間ほどは自分の自転車に乗れないと思っていましたが、Curveで向こうを走ることができて良かったです。

萩原さん:幸せな旅ですよね。

津田さん:スーツケースに自転車を入れたので、他のものはあまり入れられませんでしたが。

萩原さん:自分の自転車を持っていけるところが輪行のいいところですよね。現地でレンタサイクルを借りれば自転車は手に入るんだけど、自分の自転車をわざわざ持っていくところに喜びがあるというか。

津田さん:現地での気軽な移動手段を確保することで、仕事だけの生活からも解放されました。仕事だけの出張から、楽しい海外サイクリングに変わりました。

——飛行機輪行で苦労などは無かったですか。

津田さん:飛行機なので空気を抜く必要があって、フロアポンプを持っていく手間はありました。後は、スプロケットをきちんと保護しないと周りに詰めていた服がボロボロになったり、スーツケースが壊れたことも一度ありました。ロードバイクは大きいので曲がってしまうのが怖くてできないですね。飛行機輪行も含めて細かいトラブルを乗り越えてくると、大抵のトラブルは乗り越えられる自信みたいなものが持てました。

萩原さん:現地で日本人が自転車に乗っていると、声をかけられませんでしたか。

津田さん:海外だと折り畳み自転車自体が珍しい様ですね。マウンテンバイクとロードが一般的なので、振り返られました。我々がランボルギーニやポルシェを見かけて振り返るような感覚です。

津田さん:海外でのサイクリングについて付け加えるとすれば、保険の問題もあるので、事故はしないように注意をしています。勤務中に事故に遭えば労災がおりますが、海外で自分の自転車に乗っていると「何してるんだ」となるでしょうね。

スズキさん:過去に輪行したとき、行けると思っていたルートが本当に大変な坂だったことがあって、それからはしっかり調べて、坂のあるところは電車移動を組み込むようになりました。あと、自転車販売店の方に「最悪左手が上がればそれでいい」と聞いたことがあり、以来ずっと座右の銘にしています。トラブルがあっても左手が上がればタクシーを停めることができるという意味ですが、そう考えることで、折り畳み自転車で気楽に出かけることができます。

スズキさん:自転車で行くと、クルマや電車だと通り過ぎてしまうような、道端の看板とかお花とか猫とか、道行く人との会話とか…一見なんてことないようなものをじっくり見られるのが楽しいです。地元に住んでいる感覚を、遠くに行って味わえるというのが大きいですね。

スズキさんの担当した【都電荒川線 新庚申塚停留場】編より、公園で見つけたインパクトの強い遊具たち。ライターそれぞれの感覚の違い、目の付け所も、この連載記事の楽しみのひとつ。

萩原さん:道には必ず上りと下りがあるので、多少の上りは我慢するのですが、延々と続く上りは自分の自転車がシングルギアのDove Plusということもあり、輪行でパスします。以前に長野の松本から静岡の清水までDove Plusで旅行したことがあるのですが、富士宮あたりでたまたま入った食堂のご主人に、この先に結構な登り坂があって自転車で越えるのはしんどいよと聞いて、すぐに時刻表を調べて電車に乗りました。本当にしんどい所は走らなくていいのが、輪行のいいところだと思います。1時間に1本しかこないローカル線だと、駅でゆっくり休憩するのも好きです。ロードバイクの方だとずっと走りっぱなしですが、折り畳み自転車での輪行は自由なところがいいですね。

スズキさん:鉄道のない地域でどうしても路線バスに頼る場合がありますが、フルサイズのロードバイクに比べて小径折り畳み自転車は持ち込みやすいところが便利ですね。以前に路面電車での輪行について調べたことがあるのですが、車両のサイズが小さいので折り畳み自転車でないと持ち込みできない場合もあるようです。

津田さん:萩原さんは結構走られるのですね。

萩原さん:長距離を走るといっても2泊3日とかが多いので、1日あたりはそれほど走らないです。Dove Plusなので走っても1日ではせいぜい70km程度です。以前に松本から糸魚川まで1泊2日で走った時は、しんどくて泣きました。なので今は変速機付きのK3が欲しいですね。とにかく、しんどくなったら気軽に輪行できるのは便利です。

 

Q5:自身が担当した記事の中で一番思い入れのあるコースは?

津田さん「八丁堀(はじめて)」、スズキさん「見沼たんぼ(浦和美園駅)」、萩原さん「不動前駅編」

津田さん:私は、一番はじめに書かせていただいた八丁堀から回った記事ですね。制作に時間をかけた記事は他にもありますし、房総半島の記事では実際にロケでは82kmも走ったのですが、振り返って色々考えると最初の記事が印象深いですね。

津田さんが担当した【JR東日本 京葉線 八丁堀駅】編よりスタートシーン。「自転車散歩」記事では基本的に、輪行してきた駅前のカットからスタートする。

——最初の記事だから緊張感があるのでしょうか。

津田さん:緊張感というより最初は手探りなので、どこをどう書けばいいのか分からない、これで本当にいいのかと思っていました。試行錯誤して出したという意味で、印象深いです。

スズキさん:私の浦和美園駅も一番目の記事です。ずっと知ってはいたのですがなかなか行けない場所なので、この機会に初めて自分できちんと走ってみて凄くいいと思いました。あと、ローカル駅と伺っていたのですが自分的にはマイナー寄りの駅の方がいいなと思ったので、あまり人が知らない場所でやってみたいという思いがありました。埼玉高速鉄道自体を知らない方もいるでしょうし、結構貴重なところだと思うので、ぜひ行ってみてほしいと思います。

スズキさんの担当した【埼玉高速鉄道 浦和美園駅】編は、ただ心がのびのびするような癒しの時間を求める方にオススメのコース。

——この手の記事ではついつい観光スポットを紹介してしまいがちになりますが、自転車散歩でふと見かけたもの、べつに計画になかったんだろうなというものをスズキさんの記事では盛り込まれていていいですね。

萩原さん:僕は一番最近に書いた不動前駅の記事です。まだ3回しか書いていないのですが、書くたびに少しずつコツをつかんで、上達している気がします。1本目(調布駅編)の記事を書いた後は書きすぎたかなとか、2本目(馬堀海岸駅)の記事は観光地を巡るだけで、自転車である必要がなかったなとか、毎回書いた後に反省しています。皆さんの書いた記事も何度も読み返して、こういうふうに文章をつなぐと読みやすいなとか勉強しています。少し前にスズキさんが書かれたクルドサックの記事も、キャプションの使い方がうまいなーとか、参考にさせてもらっています。

萩原さんが担当した【東急電鉄 目黒線 不動前駅】編では、首都圏の暗渠(あんきょ)マニアや湧き水愛好家が必ず一度は訪れるという羅漢寺川(らかんじがわ)周辺を巡った。

津田さん:1回最後まで作文して、一度寝かせます。見直して納得いかない時には、連載の最初の記事に戻ります。この展開でこの流れ、なら自分の今回の記事ではこのように繋げよう、なんて考えます。あと写真も予習するときはこの連載1本目や2本目で、こういう写真を求められているのかなぁ、でも同じだと面白くないので自分ならどう味付けしようかなぁ、と考えています。

連載1本目の【Osaka Metro 中央線 大阪港駅】編を始めとする関西の記事は、アキボウが制作を担当。

萩原さん:難しいのが、事前にルートをキチンと決めてしまうと、実際行ってみて面白くないんですよね。かといって何も決めずに行くのも不安だし。記事が成り立つのかなと。そこのバランスを皆さんはどうされているのかな、と気になります。事前に作る企画書である程度コースが決まってしまいますが、あの企画書無しでまったく知らない駅に降り立っていくとどんな記事になるのかな、と一度試してみたい気がしますね。

——スズキさんが雑誌作りされていた時はいかがでしたか。

スズキさん:雑誌では、もちろんそれぞれのスポットを紹介するのも大切ですが、数が少なくても、魅力的な写真がドンとあることの方が大事だなと思います。モデルさんやカメラマンさんもいらっしゃるので、あまり行き当たりばったりはできないですね。私の場合はわりとテーマを考えてやっていたので、今もワンテーマは持つようにしています。

萩原さん:クルドサックの記事での「わさビーフ」は事前に調べていたのですか。

おつまみ系ポテトチップスとして不動の人気を誇る「わさビーフ」の看板は、スズキさんが担当した【都営地下鉄 三田線 板橋本町駅】編に登場。

スズキさん:あそこにわさビーフの看板があるのは以前から知ってはいました。今回の記事は土地勘のあるところで作ることが多いので、車で走っていて知っていましたね。あと、地図を眺めながら考えるのは普段から好きです。

 

Q6:ロケで何か失敗したことはある?

津田さん「写真がない!(^_^); 」、スズキさん「失敗もネタです!」、萩原さん「リアライト付け忘れ」

——場合によっては結構恐ろしいこともあると思う、ロケでの失敗についてお聞きします。

津田さん:撮ったと思っていたらピンボケすぎて使えないとか、後から記事を書いている時にこの写真があった方がより良かったなと思っても今さら行けないとか。

スズキさん:私は、この連載のお仕事だと失敗もネタだと考えるようにしていますね。天気が良くないとか迷子になったとか。雑誌だったら結構取り返しがつかない失敗になりますが、この記事はルポなので、実はこうしたかったのですがこうなってしまいましたーと書いちゃってます。

——失敗ってどんなことがありますか。

スズキさん:雑誌の時は締め切りが絶対なので、ドキドキすることが結構ありました。ロケが何度も延期になったとか、帰りの飛行機に間に合わないかもとか、モデルさんが予想以上に走れないとか。このお仕事ではそういうことは無いですね。今のこの連載では、失敗が許されるのがいいなと思っています。許されているのかわからないですけど(笑)。

萩原さん:私はまだ3回しか携わっていないので、失敗らしい失敗はそう無いのですが、撮り進めてから途中でリアライトを装着するのを忘れていて、最初から撮り直したことがありました。

——不特定多数の方にブランドとして情報を発信する手前、企業の姿勢が問われるので大変ですね。例えばヘルメットは、条例で定められた都道府県以外では着用義務はありませんが、業界側として安全運転を推進する必要がありますので、雑誌作りでもモデルさんの見せ方との間で難しいところがありますよね。

スズキさん:停まっているシーンでもヘルメットはハンドルバーに掛けて、走るときは被りますというイメージは必ず出しますね。

 

Q7:プライベートでのサイクリングと記事制作のためのロケの一番の違いは?

津田さん「プライベート DAHON 実はほとんど同じ(でありたい)」、スズキさん「気軽さ!!」、萩原さん「写真が大変」

——自転車好きな皆さんですが、仕事となると楽しめない、なんてことがあるのかなと思ってお聞きしました。

津田さん:先ほどの回答と同じで、全て予習して当日はその答え合わせだけだと言葉の節々につまらなさが出てしまうと思う、タイトルどおり気軽に走ってる感を出したいと思うので、プライベートと同じでありたいと思っています。想定していたルートと多少違っていたり、想定していなかったけどオッと思ったところで写真を撮ったりしていて、そのスタンスをアキボウさんにも理解してもらっています。ただ、完全にノープランで行くとどうなるか分からないので、ある程度のプランは持って臨みます。元々サイクリング計画を立てるのは好きで、プライベートでも無計画で出ることがないので、あまり差はないように思います。もちろん心のどこかで仕事という気持ちはありますが。

——いい写真を撮るために、電車がやってくるのを待つなどはありますよね。

津田さん:それはありますね。プライベートだと諦めるけどロケなら1時間でも待つ、みたいな。時刻表でみて、待つ間で他のポイントを取材することもあります。

津田さんが担当した【JR東日本 外房線 上総一ノ宮駅】編より、いすみ鉄道がやってくるのを待って撮影した、夷隅川、大多喜城とのカット。

スズキさん:津田さんの話を伺っていて、自分の姿勢には気軽さが足りないかもってドキッとしました。プライベートだと、そもそも今日はやめとこうかなと思ってしまいがちなのですが、仕事だとそうはいかないですし、実は結構気合いを入れて出かけています。気が向いたら行く、疲れたら道半ばでも帰る、みたいな気軽さの有無が最大の違いですね(笑)。あと仕事だと、お行儀というか素行が良くなるというのはあります。例えば自転車を輪行袋に入れたりする際に、できるだけ人に迷惑をかけないようにとか。DAHONの自転車を使っているので、ブランドに迷惑をかけないよう。自分だけのせいではなくなるので、プライベートのとき以上に気を遣います。

萩原さん:自分一人で走るときには写真を撮らないので、撮影するのが大変ですね。撮影に自信がないので、同じシーンでたくさん撮って、たくさん撮るので後で写真を選ぶのも大変です。あとは、ここで撮影しても良いのかな、と迷う時があります。公園など公共の場所や、自転車で入って良い場所なのかとか。個人ではないので撮影場所で気を遣います。

津田さん:JRなどの駅の中はダメですよね。車体を入れた輪行袋の写真なども駅の中では撮れない。

——以前に調べた時は、周囲に迷惑をかけなければ商用撮影も可能という鉄道会社も一部でありましたが、一般的には事前に申請して、ロケーションサービスに料金を払うことになりますね。

 

Q8:記事のためのコースの企画はどんな手順で?

津田さん「1.テーマ設定、2.ネット・書籍、3. 2を繰り返す」、スズキさん「まずワンテーマを」、萩原さん「行きたい場所 行かせてもらってます。」

津田さん:まずテーマを設定し、ネットや書籍など色々なもので調べて、しっくりこない時はそこでボツになります。そういうことを繰り返してひとつの企画としてできた時に、アキボウさんに提案します。

スズキさん:すごい人柄が出ますよね、聞いていて偉いなぁ〜って思います。

——テーマは降りてくるのでしょうか。それとも自分の行きたいところとかでしょうか。

津田さん:食べたい。ですね。私は歴史が好きなのですが、歴史系ばかりにならないように今回はどういう味付けにしようか。醤油ラーメンばかりだと飽きるので、違う味に挑戦したいよね、という感じです。

スズキさん:私もまずはテーマですね。ローカル駅の企画なので、駅から探すことの方が多い気がします。ずっと地図を見ながら、この駅の周りには何があるのだろう、と。あとは、あまり幹線道路を走らなくていい、走りやすいところなど。道の細いところはアキボウの担当者さんが好きそう、とか考えることも。

萩原さん: 僕はまずは自分の行きたいところですね。その行きたい場所の最寄駅をスタート地点にして、その周辺に何があるか調べます。

萩原さんの担当した【京浜急行電鉄 本線 馬堀海岸駅】編から、三軒家砲台跡でのカット。

津田さん:アキボウさんはどうされていますか。

——そこでどんな絵を撮れるのか、が大きいですね。元々生まれ育った土地の良さを何か記事に落とし込みたい、とか。ライドイベントのコース企画や、一般向けにもサイクリングコースの紹介が主の時は、路肩の広さや交通量、距離や坂などの運動量を優先しますが、この自転車散歩の記事は集団走行ではないので路地とかいいなと思いますね。

萩原さん:難しいのが、たまたま思いついた駅で降りるという体裁と、暗渠とかテーマを決めて走ることの両立がありますね。本当は企画書も出さずにどこかの駅で降りて走り回って、それこそ失敗もネタにする…そんなのもやってみたい気がします。

スズキさん:本当にぶっつけで行ってしまうと、その駅周辺に凄い良いものがあったかもしれないのにスルーして帰ってくることになる。それは避けたほうがいいことだと思います。

萩原さん:そういう意味で、スズキさんの板橋本町駅の記事はクルドサック、縁切神社、わさビーフと地元散歩っぽい見どころの連続でバランスが取れていていいですよね。個人的に自転車散歩記事の見本だと思って、4、5回は読み返してます。

スズキさん:写真映えする撮り方を自分に希望された時は、ずっと写真はプロのカメラマンさんがいる(雑誌編集の)環境でやってきていたので戸惑いました。なので写真はずっと悩みの種ですね。

萩原さん:メインの写真は悩みますね。記事のトップの画像がブランドサイトの一覧のところでも使われるので。撮ってる時から今回のメインはこのカットだろうなと思いながら、その写真は目的意識を持って撮っています。

スズキさん:確かに雑誌を作る時でもWeb媒体でも、メインの写真を決めるというのはもしかしたら一番最初にやってることかもしれないですね。トータルで楽しいロケだったとしても、絵になるカットがないな…と困ることはあります。

 

Q9:スポーツバイクビギナーがサイクリングコースを考える上で注意したい点は?

津田さん「DNFに備えよう。」、スズキさん「自分が楽しいかどうかを」、萩原さん「複数のルートを選べる場所」

津田さん:DNF(=Did Not Finish)ですね。パンク。夜になってしまったのにライトがない。お腹が空いたけどカロリーメイトがない。といった点には気をつけておきたいですね。なので私はチューブは持っています。タクシーも走っていないところで何かあったら終わりですからね。

萩原さん:僕はできるだけ鉄道と並行しているルートを走るようにしています。例えばパンクした時も、電車に乗って町の自転車屋さんに持ち込んで修理してもらえますから。パンクの修理自体は自分でできますが、輪行先で自分で修理したいとは思わないので。

津田さん:走る気満々だったのに朝の9時にパンクしたら終わってしまうけど、自分でその場で直せば9時半には再スタートできるので、ひと通り持っています。

スズキさん:私は津田さんに比べてだいぶ精神論です。誰かのルートをまねして走ってみるのがいちばん楽なのですが、例えば、有名な方が走っているところだからといって、そこが自分にとって楽しいとは限らないと思います。超有名なサイクリングスポットだとしても好みによると思いますし、メディアがどう、有名な人がどう、ではなく、大事なのはとにかく自分が楽しめるかどうかかなと。

萩原さん:以前、有名な某サイクリングコースに行った時、一本道で道が綺麗に整備されていて、安全で走りやすいのですけど、自由に脇道へ逸れて自転車散歩ができないところが個人的には楽しくなかったですね。そのライドの後に地元の人に美味しいところを聞いて、あちこち行ったのが楽しかった。走ることが目的なのか、自転車散歩が目的なのかによって、同じルートでも評価は違ってくるように思いますね。

スズキさん:自転車に乗っていることが大事なのか、自転車でどこを走るかが大事なのかによって、真っ二つになりますね。

萩原さん:Q4で松本から糸魚川まで走ったことに触れましたが、あそこは国道148号線を走るしかなくて他の道を選べないんですよ。脇道にそれてもすぐに148号線に合流してしまう。当時、北陸新幹線の開業直前のタイミングで、東京では見たことのないような巨大なトラックが数珠つなぎのように走っていて、そんなトラックに何百台と追い抜かれながらひたすらその国道を走るのは凄い恐怖でした。しかもトンネルと隧道が交互に連続する道で、後ろから追い越してくるトラックの運転手に命を預けて延々と走るのは本当に辛かったです。地方にはある場所からある場所に行くにはこの道しかないというケースが意外に多くて、そういうところは交通量も多い場合が多いです。国道148号線の恐怖体験以降は、国道とは違う旧街道など、必ず複数のルートを選べる場所を輪行先に選ぶようにしています。

 

Q10:各自の好きな自転車散歩のスタイルに合うDAHONの車種は?

津田さん「Boardwalk D7」、スズキさん「Mu SLX か Presto SL」、萩原さん「K3 軽い、安い(?)、カスタムいらず」

——意見が分かれるかどうか分からなかった設問ですが、津田さんはBoardwalk D7ですか。

Boardwalk D7(シルキーベージュ)。2022年モデルではシルキーベージュのほか、ヴィンテージブラック、グラファイトグレー、ブリテッシュグリーン、チョコレートと、計5色をラインナップする。

津田さん:安いから。泥除けがついているので路面が濡れていても走れる、色の選択肢が豊富で選びやすい、カスタマイズをしようと思ってもしやすい、乗り心地も良い…と思います。皆さん、次の記事でBoardwalk D7に乗ってみてください。良いですよ〜。

スズキさん:私はとにかく軽いのが良いので、Mu SLXは最初に乗った時に(軽さと走りの)バランスがいいなと思ったのと、Presto SLも自転車店でお客さんの多段化されているのをいくつも見て、これ最高なんじゃないかな〜と。自分の乗り方でいえばRouteやBoardwalk D7くらいで良いのですが、重いと輪行する気にはなれないので、とにかく軽いのがいいです。

Presto SL(2018年モデル)は、シンプルなシングルギアで8.2kgの16インチモデル。多段化への拡張性を持たせていたため、カスタムベースとしても人気に。 ※2022年モデルのラインナップでは展開無し。

——軽いのに走る、というモデルですね。

スズキさん:Dove PlusとかK3なんかも軽いのは良いのですが、自分自身が全然走れないのでその分を自転車が補ってくれるモデルがいいな、ということで。昔お年寄りにお話をうかがったとき「歳を取るほどいい自転車に乗った方がいい」と仰っていたのですが、確かに力のない人ほど良いものに乗ってもいいんじゃないかなと思います。

萩原さん:僕がK3を好きなのは、軽いというのがひとつと、比較的安いという点ですね。安いといってもそれなりにするんですけど、一方で他社の折り畳み小径車でもとても高価な車種があるじゃないですか。15万円とか20万円くらいのに乗ってる人も多いですよね。僕は知らない街に行くと、ずっと自転車に乗るのではなく、駅の駐輪場に自転車を停めてブラブラ歩くこともしたい方なんです。それが、高価な自転車だと盗難が怖いので、ちょっと躊躇してしまう気がします。自分の感覚では、10万を超えると、美術館に行って駐輪場から離れて1時間ゆっくり鑑賞なんてことができない。10万円以内で買えるK3は特別安いわけではないけど他の折り畳み小径車に比べると安いので、お勧めしたいですね。

2022年モデルのK3(ガンメタル×ブラック)。3段変速を装備しながらも本体重量7kg台を実現した14インチモデル。フレームへの負担を軽減させるDeltecテクノロジーを搭載。

萩原さん:あと今乗ってるDove Plusは自分仕様にするために結構改造してきたのですが、この連載記事のロケでK3に乗ったら自分にバッチリで、もうこれでいいじゃん!と。Dove Plusを買った時はK3はまだ出ていなかったのですが、Dove Plusのカスタム代を考えると何なんだ、と。K3はもう完成していますよね。

 

Q11:鉄道以外の輪行で利用したい交通機関や、輪行で行ってみたいところは?

津田さん「(大島に行きたい)」、スズキさん「地方都市でのワーケーション」、萩原さん「ヒコウキ」

津田さん:フェリーに乗って、東京から大島に行きたいと思っています。電車の輪行はほぼ毎週のようにしていますし、飛行機でも何度も輪行はしたことがありますが、そういえば船はあまりやっていないので、大島に行きたいなぁ〜と。実は大島には行ったことがなくて。フェリーは時間がかかるとは聞きましたが。

萩原さん:ジェット船もありますが、フェリーだと夜行で6時間くらいかかりますね。僕も船は好きです。輪行した先で船に乗るのが特に好きで、福岡の宗像大島とか、三河湾の佐久島や日間賀島に行ったことがあります。地元の方の足として使われている小さな船で渡るのが好きですね。

スズキさん:津田さんのオーストラリア輪行にも似ていますが、遠方に行って長めに滞在して、ホテルに自転車を置いておいて夜になったら買い出しに行く、休みの日には足を伸ばして…というようなことをしてみたいです。遠くで日常生活を楽しむのに折り畳み自転車っていいんじゃないかなと。これまでの輪行で船も飛行機も乗っていますが、国内線には全幅の信頼を置いているので、輪行袋の状態で預けて「自転車ですね」と対応してもらえるのが嬉しいです。

萩原さん:僕も回数はこなしていませんが、飛行機輪行は好きですね。羽田空港までは自走していきます。自分の輪行袋ではなく、航空会社が自転車用に用意している透明の袋が好きで、いつもお世話になっています。旅先の小さな地方空港で自転車を組み立ててると、遠くに来たな〜という感覚でテンションが上がりますね。

スズキさん:飛行機を降りて、航空会社の人が自転車をわざわざ持ってきてくれるのが、特別扱いされている感じでいいですね(笑)。飛行機に限らず、国内では皆さん優しくて、丁寧に対応してくれますね。

萩原さん:船の話に戻りますが、田舎の方の船に乗ると、折り畳む必要もなかったりしますね。自分が折り畳んで待っていると、後から地元の中学生がシティサイクルをそのまま載せてきて、何だそのままで良かったのか…と。あと行きたいところの話で言うと、海外に折り畳み小径車で行きたいですね。学生の頃にヨーロッパを旅行したことがあるのですけど、バックパッカーといっても学生向けの割引料金を受けられるユーレイルパスというのを使って、ロンドン、ブリュッセル、アムステルダムといった大都市を回っていただけで、日本でいうと大阪と京都と東京を観光したような感じで。もういちどヨーロッパに行って、今度は自転車で郊外を走ってみたいなあと思いますね。

——以前に書いた記事で旅の写真家の方から伺った「一般的に観光客は航空機や列車、バスで町に入るので、空港や駅が起点となるが、自転車の場合はスーッと裏口から町に入るイメージになるので、客扱いされずに自然に町に馴染む。その感覚が楽しい。」という意見にも近いものがありますね。皆さんが制作に参加されている「ローカル駅からはじめる自転車散歩」でも正に「特別な観光地ではなく、普通に人が暮らし、働き、近所の公園で子どもが遊んでいる、なんの変哲もない町」と謳われています。これからも小径車だからこそのゆるい自転車散歩を期待しています。

 


 

今回の対談用にお借りした部屋は、日本初の自転車を学ぶ専門学校「東京サイクルデザイン専門学校」のビルディングルーム。同校は、さまざまな自転車のメンテナンス技術、カスタマイズや整備のノウハウ、 デザイン・製作、素材知識などを身につけ、新時代の「バイシクル・クリエーター」を目指すための学校。すでに多くの卒業生が自転車業界に入り、即戦力として能力を活かしています。

こちらは対談に使用させていただいたすぐ隣の部屋。ビルディングルームのほか、メンテナンスルーム、デザインルームなどがあり、プロ仕様の専門工具や大型重機、自転車専用の治具など自転車づくりになくてはならないものがすべて整っています。

 

*参考リンク
 DANON「ローカル駅からはじめる自転車散歩」
 DAHONブランドサイト
*協力
 東京サイクルデザイン専門学校

*この記事で紹介している情報は、2022年6月時点の取材に基づいています。

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