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ボクらは怪しい探検隊!マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

マニアというのは、大体において怪しい。住宅街の道端にしゃがみこんでいる人がいて、体調でも悪いのかなと思って近づいてみると、マンホールマニアがマンホールの写真を撮っていたりする。ひとん家の石垣をじっと見つめている人がいて、ドロボー集団の下見係の人かも!と思って睨んだりすると、苔マニアが石垣のすき間に生えているスナゴケを見ているだけだったりする。マニアは怪しいし、紛らわしい。しかしながら、なにかに夢中になっているその姿は、少々うらやましくもある。この連載では、そんな怪しくもうらやましいマニアの方々の案内で、マニアの世界のほんの入口を少しだけ覗いてみたいと思う。

日本お茶漬け協会会長、もちづきもちこさん登場

マニアと行く自転車散歩、第7回目の案内人は、日本お茶漬け協会会長のもちづきもちこさん。彼女は、年間200回以上お茶漬けを食べるという、永谷園もびっくりのお茶漬けマニアだ。彼女の経歴を簡単に紹介しておくと、大学卒業後、テレビの制作会社のADを経てフリーライターとして独立。さらに、日本全国お茶漬け行脚の資金を稼ぐべく、ガールズバーの裏方として朝まで働く日々を送っているという、なかなか元気な人である。

今回は、そんなもちづきさんの案内で、都内のお茶漬け屋さんをいくつか巡り、さらに彼女おすすめの「夏の自転車メシ」としての即席冷やし茶漬けを紹介する。そういえばお茶漬けなんて、10年以上食べていない気がする。なんとなく、ご飯はお茶をかけずに、そのまま食べた方がおいしいような気もするが、はたしてどうなのだろう?

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というわけで、7月末の木曜日、午前10時半。JR千駄ヶ谷駅でもちづきさんと待ち合わせし、あいさつもそこそこに、最初の目的地、おひつ膳 田んぼ 代々木本店へ向かう。気温はすでに34度。 のんびり路上で自己紹介している場合ではないのだ。下の写真は、最初の目的地を目指して渋谷区内の路地を走るもちづきさん。朝から暑い。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」DAHON(ダホン) K9X乗車イメージ

お茶漬けマニアの原点は、小学5年生の朝

容赦なく照りつける日差しの中を走ること10分。最初のお茶漬けスポット、おひつ膳 田んぼ 代々木本店に到着。さっそく店内へ。この日は午前中だったのですんなり入ることができたが、昼どきには行列ができる人気店なんだそうだ。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」DAHON(ダホン) K9Xイメージ

こちらが田んぼさんのメニュー。もちづきさんは、右から5番目の鶏ささみおひつ膳が大のお気に入りで、ここに来るといつも頼むそうだ。一方、10年以上ぶりのお茶漬けとなる自分は、いきなり変わり種に走らず、まずは定番系からいきたい。ということで、明太子おひつ膳を注文した。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

料理が出てくるまで少し時間があったので、そもそもなぜ、お茶漬けが好きになったのか聞いてみた。

きっかけは、小学5年生のある朝。今でも鮮明に覚えているそうだが、その日、お母さんが寝坊してしまい、大慌てで作ってくれた朝ごはんが永谷園のお茶漬けだったそうだ。それが彼女にとって人生初のお茶漬けだったのだが、それを食べたときの衝撃を彼女の言葉そのままに書くと、「もう、おいしすぎてびっくり。とにかく味が完璧すぎた」そうである。

そしてそれ以来、彼女とお茶漬けの二人三脚の日々が始まった。バドミントンに打ち込んだ学生時代は、朝練の前にお茶漬け。そしてテレビ制作会社のAD時代は、夜食にお茶漬け。とくに早朝から深夜まで異常に忙しく、冷めた弁当ばかりで、出来たてのごはんを食べる機会がほとんどなかったAD時代は、すぐに食べられて、しかもあったかいお茶漬けは、疲れた体と心を癒してくれる心の友のような存在だったそうだ。

「あったかいって素晴らしいこと。疲れている時、あたたかいだけで涙が出る。お茶漬けはいつも寄り添ってくれるんです」と、彼女がしみじみ語ったタイミングで、鶏ささみおひつ膳と明太子おひつ膳が到着した。さあ、食べよう!

こちらが明太子おひつ膳。ご飯の上には、たっぷりの明太子と大葉、細切りの海苔。ほかに、わさびなど3種類の薬味、お漬物、とろろが付いてくる。これらを左下のお茶碗に好きに盛り付けて、小さなやかんのようなかたちの急須からお茶を注いで食べる、というしくみである。なめこのお味噌汁とデザートの黒蜜寒天は、当たり前だがお茶漬けにはしない。食べてみた感想は、とっても旨かった。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

続いて、鶏ささみおひつ膳ともちづきさん。さすが元テレビの制作マン。カメラを向けただけで、すぐにポーズを取ってくれた。鶏ささみおひつ膳がお気に入りの理由は、まず、お肉のお茶漬け自体がめずらしいこと。そして、ささみがカリッと焼かれているので、香ばしさも楽しめるからだそうだ。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

店内には、お米の産地と銘柄が掲げられていた。もちづきさんいわく、お茶漬け屋さんは、お米にこだわっているお店が多いそうだ。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

2軒目は出汁茶漬け

おひつ膳 田んぼ 代々木本店を出発し、次の目的地である御苑茶屋ZUZU新宿御苑前店へ向かう。ここは外食お茶漬け業界の一大勢力「出汁茶漬け」のお店である。下の写真は、明治通りをJR代々木駅方面から新宿御苑方面へ向かうもちづきさん。

御苑茶屋ZUZU 新宿御苑前店に到着。暑いのですぐに店内に入る。ここも行列のできる人気店だが、まだ12時少し前だったので、すんなり入ることができた。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」DAHON(ダホン) K9Xイメージ

店の前に大きなメニュー看板があった。一番人気が紅鮭とイクラの親子釜めし茶漬けで、二番人気が柚子で〆た真鯛の釜めし茶漬け。どちらも旨そうだが、お茶漬け初心者は基本に忠実であるべきと思い、一番人気の紅鮭とイクラの親子釜めし茶漬けを注文した。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

こちらが紅鮭とイクラの親子釜めし茶漬け。料理を運んできてくれた店員さんが、食べ方を丁寧に教えてくれた。まず一杯目は、そのまま釜めしとして味わう。二杯目は薬味を添えて、風味の違いを楽しむ。そして三杯目は、あとから運ばれてくる出汁をかけて、出汁茶漬けにしていただくそうだ。一つの釜めしを三度楽しむ、いわゆるひつまぶし方式である。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

食事の途中で運ばれてきた出汁。半分凍っていて、なんだかゼリーみたいだ。ひと口飲んでみたら、しっかり出汁だった。見た目と味のギャップに一瞬脳が混乱してしまった。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

こちらが第三形態の出汁茶漬け。暑さで火照った体に冷たいお茶漬けが染みわたる。しかし、お茶を使っていないのに茶漬けと呼ぶのはなぜだろう? ちなみに出汁は、温かいものを選ぶこともできる。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

さて、もちづきさんは何を食べたかというと、苺とベリーのかき氷(笑)。彼女はお茶漬けが大好きだけど、けっして大食いの人ではない。最初のお店でおひつ膳を食べてから、まだ30分ほどしか経っていない。「連続はちょっと無理です」ということで、かき氷をおすすめしたのである。好きな食べ物の話をするとき、「〇〇ならいくらでも食べられる」という表現がある。しかし、それはあくまで例えである。どんなに大好きでも、消化の限界はあるのだ。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

以上でお茶漬け屋さん巡りの自転車散歩は終了である。本当はもう1軒、中野新橋にあるUMAMI BASEというお茶漬け屋さんにも行く予定だったのだが、残念ながら本日は臨時休業。今回はあきらめることにした。UMAMI BASEさんも出汁茶漬けのお店で、その出汁はもちづきさんいわく「とにかく魔法みたいに美味しい」そうだ。いつか機会があれば食べに行きたい。

さて、自転車散歩は終わったが、記事はまだ続く。ここからは、夏の自転車メシとしての冷やし茶漬けの検証である。

夏の自転車メシに、冷やし茶漬けはいかが?

今年3月、当SHIFTAに「コンビニで買える!ロードバイク乗りのための補給食&脱水対策」という記事が掲載された。その中で、「コンビニのおすすめ補給食5選」のひとつとして紹介されていたのが、塩おにぎり。さらに「塩分不足に注意!真夏の脱水対策」の章では、梅おにぎりもおすすめされている。

今回の取材前にこの記事を読んだもちづきさんから、「おにぎりもいいけど、冷やし茶漬けもぜひおすすめしたい!」という提案があった。というわけで、スタート地点のJR千駄ヶ谷駅まで戻り、適当な場所を探して、もちづきさん提案の即席冷やし茶漬けを食べてみたいと思う。

さて、こちらが即席冷やし茶漬けのメイン具材となる、無印良品の冷やし茶漬け。フリーズドライの商品で、昨年から夏季限定で販売されているそうだ。きざみ野菜の山形だし、梅肉と長いも、キムチとザーサイ、長野のやたらの4種類があり、今回はこの中から梅肉と長いもを試してみる。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

事前に100円ショップで購入しておいた紙容器に、コンビニで買った塩おにぎりを入れ、その上に冷やし茶漬けのもとをのせる。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

ここに、これもコンビニで買った冷たいミネラルウォーターを注ぎ、待つこと1分でできあがり。見た目はちょっと微妙だが、はたして味はどうだろうか?―――これがさっぱりしていて、梅の塩気と酸っぱさが効いていて、めちゃくちゃ旨い(ただし長いもの存在感は薄い)。炎天下を自転車で走ってきた体に染みわたり、なんなら、先ほど食べた専門店のお茶漬けより旨い気がするぐらいだ。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

しかも、旨いだけではない。先ほど紹介したSHIFTAの記事によると、夏場のライドでは大量の汗とともに塩分も失われるため、水分だけでなく塩分の補給も大切だという。今回使った無印良品の梅肉と長いもは、1食あたりの食塩相当量が2.1g。水分と一緒に塩分も補給できるので、夏の自転車メシにはなかなかよさそうだ。

というわけで、「夏の自転車メシに冷やし茶漬けは◎」というのが二人の結論。紙容器とフリーズドライの冷やし茶漬けを持っていく必要はあるが、どちらも軽いのでたいした荷物にはならない。今年はもう涼しくなってきたが、来年の夏は、ぜひ試してみてほしい。

下の写真は、JR千駄ヶ谷駅の前にある東京体育館横の木陰で冷やし茶漬けを食べるもちづきさん。「外で食べるお茶漬けもまた良し!」とか言いながら、あっという間に完食。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

以上で、「マニアと行く自転車散歩 お茶漬けマニア・もちづきもちこさん編」はおしまいです。取材中、もちづきさんは何度も「お茶漬けは過小評価されている」と言っていた。取材を終えた今、自分もそう思う。お茶漬けの地位向上のために、これからも頑張っていただきたい。

なお、今回は自転車散歩ということで、お茶漬け屋さんのお茶漬けを中心に紹介したが、もちづきさんは普段からお茶漬け屋さんを食べ歩いているわけではない。むしろ自宅でつくることのほうが多く、具材や食べ方をいろいろアレンジしながら楽しんでいるそうだ。

別れ際、「これもおいしいので、小腹が減ったときにぜひ!」と永谷園のカップ入りインスタント茶漬けをいただいた。その日の夕方、さっそく食べてみた。あったかいって素晴らしい。お茶漬けはいつも寄り添ってくれる。彼女の受け売りだが、まさにそんな感じでおいしかった。

マニアといく自転車散歩vol.7「お茶漬けマニア もちづきもちこさん編」

[参考Link]

日本お茶漬け協会のHP

https://www.ochazuke-assoc.com/

お茶漬けライターもちづきもちこさんのHP

https://www.mochizukimochiko.com/

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[今回の自転車のルートマップ]

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