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自転車レースの世界を覗く

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自転車レースの世界とは

どういったところをどれくらいかけて走るの?

自転車レースにもさまざまなバリエーションがあります。その中でも、最も格式が高いと言われるレースが「グランツール」と呼ばれる3つのレースです。

3つのレースとは、毎年5月にイタリアで行われる「ジロ・デ・イタリア」、7月にフランスで行われる「ツール・ド・フランス」、そして9月にスペインで行われる「ブエルタ・ア・エスパーニャ」を指します。

いずれも各国内を周るコースが設定され、レースは普段は一般道として自動車が通る道路中心に、時にはサーキットや空港の滑走路を利用して行われます。

レースは3週間にわたり、1日の走行距離は100km以上、そして総走行距離は3,000〜4,000kmにも及びます。

スポーツならルールはあるの?

レースのルールは分かりやすく、全てのコースを総合して最も早く走った選手が優勝となります。しかし、世界中のトップサイクリストが集まるグランツールで、総合優勝を勝ち取るのは容易ではありません。そのため、各チームにはエース選手とサポート選手がおり、たった一人のエース選手を優勝させるために、サポート選手や監督、メカニックなどチームが一丸となって優勝を目指します。

さらに毎日のレースにも優勝が与えられます。毎日のレースを「ステージ」と呼び、その日の勝者をステージ優勝と呼びます。全日程での優勝者は総合優勝と呼び分けています。

ステージによって平坦が多かったり山岳が多かったりするので、得意不得意によってステージ優勝はサポート選手を含めた多くの選手にチャンスがあります。

レースに参加しているのはどんな人?

グランツールに参加するためには、いくつかの条件があります。

まずレースに参加できるのは世界で22チームと決まっています。そしてその22チームは、UCI(国際自転車競技連合)に登録するチームの中から第1カテゴリーの「UCIワールドチーム」に属する18チームが優先的に出場権を獲得します。

そして次に第2カテゴリーである「UCIプロチーム」に属するチームの中から昨年の、いわゆる世界ランキングが上位の2チームが選出されます。

そして残りの2枠は「UCIプロチーム」の中から主催者の推薦によって選ばれます。

この仕組みはサッカーにも似ているのでイメージしやすいかもしれません。世界のトップクラスの選手たちが競い合うのがグランツールです。

しかし、このUCIワールドチームに所属するのも並大抵のことではありません。さらに、チームの全員が出場できるわけではなく、各チームから出場選手はたったの8人に絞られます。チームの中には各国のチャンピオン選手も所属しており、本当の実力者だけがグランツールに参加することができるのです。

3つのグランツールの違い

ジロ・デ・イタリア

毎年5月にイタリアで開催されるレースです。イタリア国内を巡るコースが設定され、1909年から開催されるレースです。全てのグランツールでは、コースは毎年新たに設定されるのですが、ジロ・デ・イタリアはその中でも比較的、勾配のきつい坂を登るコースが多くなっています。

グランツールでは、各日の総合成績トップ選手には特別なジャージが支給され、ジロ・デ・イタリアは「マリアローザ」と呼ばれるピンクのジャージが与えられます。

ツール・ド・フランス

毎年7月にフランスで開催されるレースです。ゴールは、ルーブル美術館や凱旋門、シャンゼリゼ通りなどを巡るパリが定番ですが、スタート地点は近年はフランスの近隣諸国に設定されることも多くなっています。

グランツールの中で最も歴史が古く、1903年に始まりました。また3つのレースで最も格式が高いといわれ、ツール・ド・フランスで優勝することはもちろん、出場することも多くの選手の憧れとなっています。優勝者には「マイヨジョーヌ」と呼ばれるイエローのジャージが与えられます。

ブエルタ・ア・エスパーニャ

毎年9月にスペインで開催されるレースです。1935年から開催されておりグランツールの中では最も歴史が浅いですが、それでも70回以上開催されています。コースは短距離、急勾配が多いという特徴があり、険しい山岳での勝負が見どころです。

優勝者には「マイヨロホ」と呼ばれるレッドのジャージが与えられます。

レースに使われる機材

レース用のロードバイクってどんなもの?

世界トップクラスの選手が使用する機材は、メーカーも次々と技術革新を行い、新しいテクノロジーを取り入れています。レース用のロードバイクは自転車界のF1と呼ばれるほど、レースに特化したロードバイクです。

特に近年は走行時の空気抵抗を減らすため、エアロダイナミクスに特化した設計が顕著です。機材の進化によりロードレースのスピードはどんどん上がっています。平坦でも時速70km以上、下り坂では時速100kmを超えることも少なくない近年のレースでは、走行時にかかる空気抵抗は大きな課題です。そのため、各メーカーはテストバイクを風洞テストにかけて数値を取得し、車体全体のパーツ形状、重さやバランスなどを細心の注意を払って調整していきます。そうして仕上がった完璧なロードバイクが選手たちに与えられます。

自転車を構成する大きな要素であれるフレームの素材も、現在はカーボン素材が主流です。カーボン素材は、金属より軽いというメリットに加え、成型する際の制限が少なく、より自由な設計ができるため各メーカーで理想のフレーム形状を追求しています。レースで勝てるロードバイクを生み出すためにメーカー同士も切磋琢磨しています。

プロ用機材はどんなもの?

プロが使用する機材はロードバイクだけではありません。シューズやヘルメット、サングラスやウェアなどもロードレースに特化したものを選んでいます。

ヘルメットは選手の安全を担保するために必要不可欠ですが、そのヘルメットにもエアロダイナミクスは考慮されています。サマーシーズンに行われるグランツールは、暑さが選手にとっても大きな敵となります。頭部に熱がこもらないように、ヘルメットには空気の通り道が作られてクールダウンするように計算されています。また、首への負担を軽くするために軽量化も測られています。事故の際の安全性を損なわずに、これらの技術が両立されているのです。

また、ロードバイクへ力を伝える接点となるサイクリングシューズも重要です。

シューズの中で足がズレてしまうとパワーロスになりますので、足へのフィット感を高めるためにパーツごとにワイヤーダイヤルで締め込めたり、ベロクロなどで細かな調整ができるモデルもあり、選手の好みによって選択します。また、漕ぐ力をペダルへとダイレクトに伝えるソール部分は、カーボン素材を用いることで反りをなくしてパワーをロスなく伝達する設計になっています。全体から見ると一つ一つは細かなことかもしれませんが、レースで選手が力を発揮するために、ロードバイクと変わらないほど、よく考えられて設計されています。

今年はまもなくスペインで「ブエルタ・ア・エスパーニャ」が開催されます。ロードレースに少しでも興味を持っているのであれば、ぜひ一度ご覧になってみてください。選手たちの真剣な戦いは感動すること間違いなしです。

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