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CMWC 2023 YOKOHAMA フォトレポート

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自転車メッセンジャーにとってのオリンピック

一年に一回だけ。
およそ30年にわたって、世界のどこかで開催されているけど、過去に日本に来たのは2009年に1度きり。
でも、それ以来2度目となる日本開催が、つい一か月前、横浜で開催された。

世界中のサイクルメッセンジャーたちの中から、最速の1人を決める。彼らにとってのオリンピックとも言える大会 = 世に聞く「CMWC」を生で見ることができたのは、実は今回が初めてだった。
自分にとっては、パスポートなしに見れる希少さで言っても、もはやオリンピックと同等かそれ以上とも言えるだろう。

  

その日会場に身を置いた瞬間から、それまでの他のどんな自転車イベントとも客層も雰囲気も違った。

日頃から激しく使い込まれることで至る所に傷が入った末なのか、潔く塗装が剥がされ、結果、全身に錆を纏った自転車。本体が見えなくなるまでぎっしりワッペンカスタムされた、ボロボロのメッセンジャーバッグ。

言葉を交わさずとも、最新のそれではないことは一発でわかるし、果たしてそれが機能的なのかどうかもわからない。

正直いって、彼らの存在は雑誌やインターネットでしか見たことがなかったが、実際に目の前に次々と現れるインパクトを自分なりに咀嚼して理解するのに、少しも時間がかからなったと言えば嘘になるかもしれない。それぐらい、彼らが使っているものや所作ひとつひとつ全てが新鮮だった。一方で、背負った大きなバッグや自転車をまるで自分の体の一部のように自在に操り、本来は最もピリピリしていそうなレース中のすれ違いざまですら互いに声を掛け合う。そんな彼らを見ていて、間違いなく人を惹きつける何かがある。その事実だけは直観的に理解できた。

メインイベントであるデリバリーレース決勝ともなれば、そんな様子をできるだけ逃さず写真に収めたい一心だったのか、自転車なしに追いかけれるはずのない広いコースの周りを走って追いかけてる自分がいた。

しかしイベントの後、自分のカメラの画面に単調に映し出されたそれと、自分の目で見た景色の違いには首を傾げた。目の前で見ていた彼らは、もっと、こう…強くて美しかったはずだった。

 

協力してくれた2人の写真家

残念ながら現状の自分が撮影した写真であの日の感動を伝えることは力が及ばない。でも運良く現場で目の当たりにしておいて、見て見ぬフリもやっぱり何か違う。

そんな中、今回2人の写真家が、今回SHIFTAに写真を掲載することを快諾してくれた。どちらも、自分よりずっと前から自転車に携わり、メッセンジャーという生き方や価値観に触れ、共感している2人の写真家。

今できることといえば、この感動を少しでも誰かに伝えることぐらいだから、今回は潔く彼らの胸を借りて、彼らだからこそ映し出せたリアルな写真とともに、もう二度とないかもしれないこの場所でのこのイベントを振り返りたい。

 

Masayuki ”rocky” Tsuyuki

Masayuki ”rocky” Tsuyuki

 

Ryuta Iwasaki

Ryuta Iwasaki

 

最後に

最後に、CMWCを日本の横浜で開催するために立ち上がった発起人の3人をはじめ、一丸となって運営して頂いた実行委員、ボランティアの皆さん、このイベントに関わられた関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。

自転車に対して誰よりもまっすぐな人間たちが動くからこそ実現できるこの素敵なイベントと彼らの活動が、
今後もさらに多くの人の心を動かすことを強く願っています!

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