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Why V5Rs?  “軽さ”だけでは終わらない、COLNAGO史上最軽量レーシングバイク  Owner's Voice Vol.02

2026.06.22 STORY

Why V5Rs?  “軽さ”だけでは終わらない、COLNAGO史上最軽量レーシングバイク  Owner's Voice Vol.02

COLNAGOのレーシングバイク史上、最軽量モデルとして登場した「V5Rs」。先代であるV4Rsで高く評価された剛性や反応性を維持しながら、12.5%の軽量化を実現。スペック上だけでも大幅なアップデートが読み取れるが、一方で実際のオーナーたちは、このバイクをどんなふうに楽しみ、どんな魅力を感じているのだろうか。

今回は実際にV5Rsを使用するライダーに話を聞きながら、スペック表だけでは見えてこない「リアルな使用感」を掘り下げてみた。

▶︎ 今回のライダー: イノウエレーシング 井上善裕 様

「乗りやすい」。それがV5Rsの第一印象

——V5Rsを一言で表現するとしたら?

僕の場合は「乗りやすい」の一言ですね。
もちろん軽いとか速いとか、そういう表現もできます。でも最初に乗った時に感じたのはそこじゃなかったんです。

最近のハイエンドバイクって性能がすごく尖っていますよね。性能は高いんだけど、その性能を引き出すために乗り手が合わせていかなきゃいけない部分もある。まずハンドル位置を調整して、サドル位置を調整して、何度も走っては直してを繰り返しながら、その自転車に身体を合わせていく。

でもV5Rsは違いました。
組み上げて最初に乗った瞬間、「あ、乗りやすいな」と感じたんです。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

僕は競輪選手時代から長年自転車を見てきましたし、ショップとしても数多くのハイエンドバイクを組んできました。新しいバイクに乗る時は六角レンチを持ちながらセッティングを煮詰めていくのが当たり前なんですが、V5Rsは仮組みの状態でも普通に乗れてしまった。その感覚のギャップには驚きました。

もちろん細かい調整は後から行います。でも最初から方向性が見えているんです。ポジションがまだ決まっていない人でも、自分に合う位置を見つけやすいのではないかと思います。実際、仲間にも何人か乗ってもらいましたが、みんなイメージが変わるんですよね。最初に出てくる言葉は「思ったより乗りやすい」。

軽量バイクというと、ヒラヒラしていて頼りないとか、持ったら軽いけど走ると意外と進まないとか、そういう印象を持っている人もいると思います。でもV5Rsはそういう自転車じゃない。僕自身は比較的トルクをかけて走るタイプですが、ガシガシ踏んでもしっかり進みます。だからといって高ケイデンスで回して走る人に向かないわけでもない。むしろ軽量バイク本来の良さを活かして軽快に回して走ることもできる。脚質を選ばないんですよね。

昨年のジロ・デ・イタリアを見ても、イサーク・デル・トロはかなり力強く踏んで走っています。でもあれだけ踏んでもフレームが負けない。軽量バイクなのに軽量バイクらしくない安心感がある。それが最初に感じた魅力でした。

軽いだけではない。後半まで脚を残せる軽さ

軽さについても、単純に重量が軽いというだけではないと感じています。
今は全日本選手権やツール・ド・ふくしまに向けて、15分程度の登坂を5本、6本と繰り返す練習をしています。1本目より2本目、2本目より3本目と出力を上げていくようなメニューですが、それが以前よりやりやすくなりました。

僕自身がターゲットにしている沖縄の100km級レースでもそうです。前半の50kmまでは誰でも速いんですよ。でも後半になると脚を削りながら走ることになる。以前はそこで苦しくなっていた部分が、V5Rsでは少し変わりました。硬いんだけど脚を残せるんです。だから最近は長距離を走っても疲れにくい。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション
COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

都心部のようなストップ&ゴーが多い環境でも同じです。最近のハイエンドモデルは本当に高剛性ですから、加速は鋭い。でもその反面、信号で止まって再加速するたびに身体への負担も蓄積していきます。V5Rsも十分硬いです。ただ、硬すぎない。そこが大きな違いだと思います。実際に一般ユーザーの方ほど、その違いを感じやすいのではないでしょうか。

高剛性なのに疲れない。そのバランスの良さ

──剛性についてはいかがですか?

剛性が足りないと感じることはありません。例えば減速後のダッシュ。クリテリウムのようなストップ&ゴーが多いレースでもかなり武器になると思います。

また、4〜5%程度の上りで誰かがアタックした時の反応も非常に良いですね。フロント周りの剛性感もしっかりしています。多少ラフなブレーキングをしてもハンドルが暴れない。それだけ聞くと、かなり硬い自転車を想像すると思うんですが、実際はそうじゃないんです。最近の高剛性バイクは高剛性すぎて、長時間乗ると腕や肩周りが疲れてしまうことがあります。でもV5Rsは疲れない。その理由は振動吸収性の良さだと思います。

COLNAGOのCシリーズにずっと乗っていましたが、ラグの時代からしなやかさがあるというか、跳ね返されるような感じがない。ガシガシ踏んでも(脚には当然きますけど)普通の最近のハイエンドバイクと比べると影響が少ないです。
V5RsにもCOLNAGOならではのDNAを感じます。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

疲れてくるとペダリングはどうしても雑になりますよね。レース後半でみんな進まなくなるのは、脚力だけじゃなくてペダリングが乱れてくるから。最近の高剛性フレームだと、その乱れを跳ね返されてしまうような感覚があります。でもV5Rsはそれが少ない。元気な状態ではどんなバイクも速いんです。本当に差が出るのは疲れた時。そこにV5Rsの強さがあると思います。

カーボンレイアップの最適化は確かに感じる

──剛性と振動吸収性の両立は体感できますか?

感じますね。剛性というと踏んだ時の反応ばかり注目されますが、実際には振動吸収性が高いから疲れないんだと思います。押し歩きをした時のハンドルのビビリ感も柔らかいですし、他社製のバイクと比べても突き上げが明らかに優しい。その絶妙なバランスがあるから結果として疲れないんです。硬いけれど優しい。そんな印象ですね。

パリ〜ルーベ ファム(女子UCIワールドツアーの一つ)の女子選手もみんなV5Rsでしたが、過酷な石畳でも疲れにくいから選ばれているのでしょうね。

また、BB規格がBSAに戻ったことも大きいと思います。BB周辺の剛性感はしっかり感じますし、整備性も良い。圧入式だと乗り手によって癖が出ることもありますが、BSAに戻ったことでより万人向けになった印象があります。ショップとしても非常にありがたい変更ですね。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

オーソドックスな形なのに速い。エアロ性能の高さ

──エアロダイナミクスについては?

これが不思議なんですよ。見た目はすごくオーソドックスなのに速い。
特に感じるのは出力の波が小さいことです。例えば250Wで巡航したい時に、本当に250Wで走り続けやすい。空気抵抗が大きいバイクだと、いつの間にか280Wや300Wまで踏まされてしまう場面があります。でもV5Rsは速度の落ち込みが少ないので、余計なパワーを必要としない。一定のリズムで走り続けられるんです。

特に面白いのは平坦よりも1〜2%程度の緩斜面。そういう場面でさらに速く感じます。フォームを崩さず走り続けられるので、気づいたらスピードが出ている。一般のユーザーの方ですと、身体を縮めるなど空気抵抗をなんとか削減してスピードを上げようみたいなイメージをされると思うのですが、このV5Rsに関してはそういうことをせずともある程度速度が得られる、速度を維持しやすいです。実際、最近は仲間との練習で山へ向かう区間のペースが速すぎると言われるんですよ(笑)。自分ではいつも通り踏んでいるつもりなんですが、実際には速い。エアロを感じるというより、結果として速いんです。

上りでもレースではエアロダイナミックス空気抵抗が意識される時代になっていますが、V5Rsは一般の方でもリズムが取りやすいバイクです。僕はあまり立ち漕ぎで自転車を振らない方ですが、軽いから振る人にとってもめちゃくちゃいいですよね。立ち漕ぎの多い人にもいいかもしれないと思って意識的に長く立ち漕ぎをしてみましたが、実際に走りやすいです。立ち漕ぎダンシングでは高剛性のフレームだと硬すぎて足に早く疲れがきてしまうみたいなところがありますが、V5Rsはそうならない。だいぶ違いますね。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

下りが速い。そして怖くない

──ハンドリングについては?

Vシリーズは昔からハンドリング性能が素晴らしいですよね。V5Rsも例外ではありません。特に下りは本当に速い。

コーナリングがとにかく自然なんです。自分のイメージしたラインにそのまま入っていける。しかも怖くない。ビビり感が少なく、ニュートラルな状態で下れるので余計な緊張がありません。結果としてブレーキングポイントも少し遅くなりました。普通なら怖い場面でも安心感がある。速いのに怖くないというのは、本当にすごいことだと思います。

実際、V5Rsの乗りやすさや扱いやすさは、レース経験の少ないライダーや小柄なライダーほど感じやすいのかもしれません。以前、身長が低く手も小さい高校生の女子選手にV5Rsを納車したことがありました。もともとは他社のバイクを指名買いしに来たのですが、僕はあえてV5Rsを勧めたんです。本人も最初は半信半疑だったと思います。でも、しばらくしてからお店に来てくれて、「男子との練習についていけるようになりました」と報告してくれたんですよ。ちょうどその頃には選抜大会でも入賞していて、お母さんもすごく喜んでくれていました。

もちろん速くなった理由がすべて自転車というわけではありません。本人の努力があってこそです。それでも、それまで発揮しきれていなかった力を引き出してくれたのは間違いなくV5Rsだったと思います。それってすごいことじゃないですか。僕自身、本当に魔法にかかったみたいだなと思いました。

小柄な女性やジュニア世代だと、どうしてもブレーキングやコーナリングに不安を抱えていることがあります。でもV5Rsはハンドリングがとてもニュートラルで、余計な緊張感がないんです。だから安心してバイクを倒せるし、ブレーキも遅らせられる。その安心感が結果としてスピードにもつながっているのだと思います。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

面白かったのは、その後ホイールの相談を受けた時のことです。一般的には「力のない女性ならローハイトホイールの方がいい」と言われることが多いですよね。そこで試しに僕が使っていたENVEを使ってみてもらったんです。すると本人も「こっちの方が走りやすい」となって、最終的にはハイトの高いホイールとの組み合わせを選びました。

脚力だけで考えればローハイトの方が有利というイメージがありますが、実際にはそう単純ではありません。V5Rsはフレーム全体のバランスが良いので、そうした高性能ホイールもしっかり活かしてくれる。だから体格や脚力に関係なく、多くのライダーが乗りやすいと感じるのだと思います。

あえて挙げるなら30Cタイヤとの組み合わせ

──ネガティブな部分はありますか?

正直、大きな不満はありません。自転車ライターさんは悪いことは言いませんが、僕は実際に自分で所有したうえで、剛性不足を感じたこともないですし、欠点を探す方が難しいと思っています。

実際に、仲間も乗って速いって言う。乗り換えてパフォーマンスを上げられるということは、多分これまでは硬すぎて持て余していたんだと思います。バランスが良くなったことで結果として速くなり、疲れない。親父もお客さんに勧めやすくなったと言っています。ホビーライダーの方も高校生も、いっぱい乗ってほしいと本当に思います。

あえて言うなら、ディスクブレーキとスルーアクスルの時代になってフロント周りの硬さを感じる人はいるかもしれません。ただ僕自身は28Cから30Cへ変更したことで、その印象はかなり改善されました。フォークの剛性感が少しまろやかになり、さらに乗りやすくなったんです。

また、チューブレス化もおすすめですね。僕自身、最初はクリンチャー派だったのですが、チューブレスに変えてから考えが変わりました。身体への疲労感が全然違います。今ではお客さんにも積極的におすすめしています。

自分に合わせられる自由度も魅力

V5Rsの乗りやすさを支えている要素として、個人的にはハンドル周りの自由度も大きいと思っています。最近のハイエンドバイクやエアロロードは専用コックピット化が進んでいて、ハンドルやステムの選択肢が限られるモデルも増えています。もちろん見た目や空力面でのメリットはありますが、その一方で身体の方を自転車に合わせなければならないケースも少なくありません。その点、V5Rsは自由度が高い。

僕自身はENVEの一体型ハンドルを使用していますが、必ずしも一体型にする必要はありませんし、自分に合ったハンドルを選べるというメリットがあります。ポジションを出しやすいですし、いろいろな体格の人が乗りやすい理由の一つにもなっていると思います。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

また、COLNAGOは他社と比べてヘッドチューブが少し長めですよね。シリアスレーサーの中には「ハンドルが下げられない」と考える人もいるかもしれませんが、個人的にはそこまで下げる必要はないと思っています。見た目を優先して極端にハンドルを低くすると、前傾が深くなりすぎて呼吸が苦しくなることもあります。実際、他社のバイクに乗るプロ選手を見ても、15mmや20mm程度のスペーサーを入れているケースは珍しくありません。一方でUAEチームエミレーツの選手たちは、V5RsやV4Rsを非常に自然なポジションで乗っていますよね。

COLNAGOはベタ付けでも無理のないポジションが作りやすく、見た目も綺麗にまとまります。フロント周りの剛性を高めたフレームであればなおさら、無理にスペーサーを積み重ねるより、フレーム設計そのものを活かしたポジションの方がメリットは大きいと思います。競輪界でも、ナショナルチームが行ったデータ検証では、極端に低いハンドルよりも適度な高さを確保した方が空力的に有利という結果が出ているそうです。僕自身もハンドルは低めが好きですが、V5Rsは極端な前傾姿勢にしなくても速く走れる。そうした設計思想も、このバイクの乗りやすさにつながっているのだと思います。

また、僕のバイクではFRAMESANDGEARのダイレクトマウントハンガーも使用しています。性能面だけでなく、パーツの色や質感によってモチベーションが変わるというのも自転車の楽しみですよね。細かなパーツまで自分好みに仕上げられることも、所有する満足感につながっていると思います。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

V5Rsをさらに楽しむなら高めのリムハイトを

──おすすめのパーツ構成はありますか?

個人的にはホイールですね。V5Rsは軽量バイクなのでローハイトホイールを選びたくなると思いますが、僕はむしろ50mm前後のリムハイトをおすすめしたいです。実際、僕自身もENVE SES 4.5を使っています。

ヒルクライムでもカンパニョーロ Hyperonとタイム差はほとんどありませんでした。それなら平坦やロードレースでのメリットが大きい方を選びたい。高校生の女子選手ですら、結果としてハイトの高いホイールの方が速かったですからね。コンポーネントをDURA-ACEにするよりも、まず良いホイールを選んだ方がV5Rsの性能を引き出せると思います。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

「乗りやすいから速い」がV5Rsの本質

最後にV5Rsを一言で表現するなら、やはり「乗りやすい」です。乗りやすいから疲れない。疲れないから距離が伸びる。距離が伸びるから速くなる。

最近は速さばかりが注目されがちですが、自転車は楽しくなければ続きません。実際、V5Rsに乗っていると以前より乗りたくなるんです。乗るのが楽しいから手入れもしたくなる。仲間や奥さんに変態って言われるんですけど、愛情があるので洗車している時間が楽しい。そういう所有する喜びも含めて、自転車の魅力だと思います。

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション
COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

尖った性能を求めるなら他にも選択肢はあるかもしれません。でも結果として速く、疲れにくく、そして長く楽しめる。V5Rsはそんなバイクです。だからこそ僕は、もっと多くの人にこの良さを知ってもらいたいですね。

 


 

▶︎協力: イノウエレーシング
     埼玉県東松山市六反町8-12

COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション
店主の井上三次さん(善裕さんのお父様)も元競輪選手で、1968年メキシコシティーオリンピックの自転車日本代表という経歴の持ち主。
COLNAGO V5Rs オーナーズボイス インプレッション

 

→ V5Rs製品ページ

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