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Engineered for speed. /「TT2」のホワイトペーパーを公開

2026.07.07 TOPICS

Engineered for speed. /「TT2」のホワイトペーパーを公開

COLNAGO TT2は、私たちのWorldTourパートナーであるUAE Team Emirates-XRGおよびUAE Team ADQの要望から生まれたモデルです。

近年、タイムトライアル競技は大きく変化しています。コースはこれまで以上に多様かつ過酷になり、起伏の多いレイアウトや登坂フィニッシュ、さらには頻繁な加減速や方向転換、コーナリング時の高いハンドリング性能が求められるテクニカルセクションを含むケースが増えています。

こうした状況を踏まえ、開発目標は明確でした。空力性能のベンチマークとなったTT1と、Y1Rsの開発で培われた最新のエンジニアリングを基盤に、現代の複雑なレース環境に対応するべく、あらゆる性能を高い次元で両立させることを目指しました。

その開発は、COLNAGOのすべてのパフォーマンスモデルと同様に、以下の3つの柱を中心に開発されました。

  1. エアロダイナミクス(空力性能)
  2. フレーム重量
  3. ライダーの最適なポジションとハンドリング性能を実現するジオメトリー
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その結果、本プロジェクトは総合的なパフォーマンスを大きく向上させることに成功しました。

空力性能、特に横風環境下における性能をさらに高めながら、フレーム全体の構造を抜本的に見直すことで、先代モデルと比較して約550gの軽量化を実現しました。また、ジオメトリーの刷新により、ライダーのポジション設定が容易になったほか、フィッティングの自由度も向上。さらに、ハンドリング性能の改善と、より俊敏な加速性能も実現しています。

これらの進化により、本モデルは現代のタイムトライアル競技が求める性能に対し、これまで以上に速く、より多用途で、そしてより高い競争力を備えたプラットフォームとなっています。

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スピードを追求したエアロダイナミクス

タイムトライアル競技における究極の目的は、コースをいかに短い時間で走破するかにあります。時速50kmを超える速度域では、空力性能がパフォーマンスを左右する最大の要素となり、わずかな空気抵抗の低減が勝敗を分けることも少なくありません。

過去3年間にわたり、COLNAGO TT1は優れた空力性能を備えたベンチマークとして、その地位を確立してきました。そして新型TT2の開発では、大幅な軽量化を実現しながら、さらに空気抵抗を低減するという、極めて高い目標に挑みました。この相反する要求を両立させるため、開発には包括的なエンジニアリングアプローチが採用されています。

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空気抵抗は、ライダーとバイクを含めたシステム全体の前面投影面積(Frontal Area)と、システムの空気抵抗係数(Drag Coefficient)をはじめとする、複数の要素によって決定されます。

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Fd = 空気抵抗(Drag Force)
Cd = 空気抵抗係数(Drag Coefficient)
A = 基準面積(前面投影面積 / Frontal Area)
ρ = 流体密度(空気密度 / Density of Air)
V = 物体に対する流体の相対速度(走行速度 / Relative Flow Velocity)

そのため、開発プロセスでは、前面投影面積(A)の最小化と、空気抵抗係数(Cd)の低減の両方に重点が置かれました。特に、ヘッドチューブ、フォーク、コックピットからなるフロント周りの空力設計の最適化に注力しています。これらのコンポーネントは空気の流れを制御する上で極めて重要な役割を担うためです。

同時に、バイク全体の空力効率を最大化するため、各チューブ形状の設計やコンポーネントの統合についても徹底的な検討が行われました。

製品開発のあらゆる段階において、CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)解析と風洞実験を繰り返し実施した結果、COLNAGO TT2は先代モデルであるTT1を上回る空力性能を実現しました。特に、その進化は実際のレース環境において顕著に現れます。刻々と変化する風向や、ライダーの動きによって生じる複雑な条件下において、TT2はより優れた総合性能を発揮します。

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このグラフは、自転車各部の空気抵抗寄与を積算した累積ドラッグフォースを示しています。白線はTT1、ゴールドの線はTT2を表しており、TT2がバイク全体を通じて空気抵抗を低減していることが確認できます。

 
前面投影面積の低減

前面投影面積の削減においては、主にバイク前方の設計に重点が置かれました。これは、この部分がライダーの身体によって気流が乱される前に、最初に空気と接するコンポーネントだからです。

そのため、フロント周りの設計は、ライダーとバイクをひとつのシステムとして捉えた際に発生する総合的な空気抵抗に対して、最も直接的な影響を及ぼします。

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主な開発項目のひとつは、コックピット周辺の徹底的な見直しでした。ハンドル幅を360mm(センター・トゥ・センター)まで狭めるとともに、コックピット全体の断面をスリム化した完全内装型コックピットを採用しています。

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従来型ヘッドセットシステムをベースに新設計されたフォークを採用。フォークブレード形状を空力的に最適化することで、空気抵抗の低減を図ると同時に、高速域における優れた安定性と、予測しやすく自然なハンドリング性能を実現しています。

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最小幅32mmの極めてスリムなヘッドチューブと、低ドラッグの空力形状を採用することで、さらなる空力性能向上を実現しています。

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これらの最適化の結果、TT2は、タイヤクリアランスの拡大や、従来型のフォークおよびヘッドセット構造を採用しているにもかかわらず、TT1と同等の前面投影面積を実現しています。

この結果は、新たなプラットフォームがもたらす性能向上を実現しながらも、バイクの前面投影面積を増加させることなく開発を成功させた、TT2の空力設計思想の優秀さを明確に示しています。

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フロント周りの前面投影面積比較

ヘッドチューブ、フォーク、インテグレーテッドコックピット、およびコックピットカバーを含む、フロント周辺一式の前面投影面積を算出した比較です。
測定は、同等のスタックハイトに設定したサイズSのフレームを用いて実施しています。

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インテグレーション|システム全体の最適化

TT1は、高度に統合された設計思想を採用しており、すべてのコンポーネントとシステムが、WorldTour最高峰のレースで勝利を争うためのひとつのパフォーマンスプラットフォームとして機能するよう設計されています。

完全新設計プロジェクトとして開発されたCOLNAGO TT2では、システム全体を包括的に再設計する必要がありました。新たなフォークコンセプトやフロントレイアウトの採用をはじめとする大幅なアーキテクチャ変更に伴い、すべてのコンポーネントをゼロから再設計しています。

このゼロベース設計により、すべてのコンポーネントの統合性を徹底的に最適化することが可能となりました。その結果、空力性能、軽量化、ライダーフィット、そしてハンドリング性能を、高い次元で同時に向上させた、一体感のある高効率なプラットフォームが実現しています。

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新開発のCOLNAGOインテグレーテッド エアロボトル&Fidlock®システム

現代のタイムトライアルバイクにおいて、ハイドレーションシステム(ボトルおよびボトルケージを含む給水システム)は空力性能に大きな影響を与える重要な要素です。フレーム内に空力的なフェアリング効果(整流効果:パーツ同士を一体的な形状として機能させ、気流の乱れを抑える空力効果)を生み出すことができるため、その設計や寸法はUCIの規則によって厳格に定められています。

TT2のハイドレーションシステムは、プロジェクトの初期段階からフレームと並行して開発されました。その結果、UCI規則に適合した、完全一体型のボトルおよびボトルケージシステムが誕生しています。

このボトルは単なるアクセサリーとして扱われるのではなく、バイクの空力性能を担う重要なコンポーネントとして設計されています。フレームと連続した形状を形成することで、気流をスムーズに整え、空気の剥離を最小限に抑えることを可能にしています。

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ライダーの脚の間は、気流が大きく乱れ、強い乱流が発生する領域です。この部分では、ライダーとバイクで構成されるシステム全体の各要素が生み出す不要な空力干渉を抑えるため、スリムで連続性の高い形状を維持することが極めて重要となります。

そのため、TT2のボトルとボトルケージは、規則で許容される範囲内で最も薄く、最も長いプロファイルを持つ、一体構造として設計されました。これにより、渦の発生を抑制し、全体の空気抵抗を低減しています。

また、ボトル表面の形状にも特別な配慮が施されています。表面ジオメトリーを最適化することで、気流がボトル表面に沿って流れる状態を維持し、後端付近での気流の剥離を遅らせることで、さらなる空力性能の向上を実現しました。

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空力性能だけでなく、ライダーの使いやすさも重要な開発目標のひとつでした。エクステンションバーを握ったエアロポジションを維持したままボトルを取り出し、収納する動作は、タイムロスやライダーの集中力低下につながる可能性があります。

この課題を解決するため、TT2のハイドレーションシステムには、Fidlock® TWISTマグネット固定システムを採用。ボトルを素早く直感的に取り外せるだけでなく、確実かつ安定した再装着を可能にしています。これにより、ライダーはコントロール性や安定性、そしてエアロポジションを損なうことなく、効率的に水分補給を行うことができます。

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空力断面形状の最適化

軽量化と空力性能は、しばしば相反する設計目標となります。軽量化を追求する場合は、材料使用量を削減できる短くコンパクトなチューブ形状が有利であり、同時にねじり剛性も高めやすくなります。一方で、高い空力性能を実現するための断面形状は、一般的に細長い形状となるため、必要な剛性を確保するためには、より多くの材料と構造的な補強が求められます。

TT2プロジェクトにおける主要な目標のひとつは、大幅な軽量化を達成しながら、COLNAGOのタイムトライアルバイクが培ってきた優れた空力性能を維持し、さらに向上させることでした。この相反する要求を両立するため、フレーム各部のチューブ断面は可能な限り薄型化されるとともに、すべての断面形状に対して、高度なCFD(数値流体力学)解析と風洞実験による徹底的な最適化が行われました。

空力開発では、COLNAGO Y1Rsの開発で培われた解析手法とノウハウが活用されています。特に、空力性能を左右する重要部位の表面圧力分布を詳細に解析することで、気流の挙動を徹底的に検証しました。

特に、ヘッドチューブ周辺、前輪後方の気流の影響を受けるダウンチューブ、シートチューブ、そして一体型ハイドレーションシステム周辺の気流挙動について重点的な解析が行われました。このアプローチにより、局所的な気流の剥離や圧力勾配を詳細に把握し、最小限の構造重量で最大限の空力性能を発揮できるよう、それぞれの断面形状を最適化しています。

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空力効率の追求に加えて、走行安定性もまた重要な性能指標として位置づけられました。実際のレース環境では、突発的な横方向からの風が、空気抵抗だけでなくバイクの操縦安定性にも大きな影響を与えます。過度な横力が発生すると、ライダーは走行ラインやバランスの維持に注意力と体力を割かなければならず、本来集中すべきパワー発揮に専念できなくなります。

この課題に対応するため、TT2には、幅広いヨー角(走行方向と風向きがなす角度)条件下で安定した空力特性を発揮するよう最適化された、新世代のエアロプロファイルが採用されています。短く再設計されたチューブ断面形状は、気流の剥離を制御しながら段階的に発生させることで、横方向の空力負荷が急激に変化することを抑制します。

その結果、強い横風環境下においても優れた走行安定性を実現し、ライダーは自信を持ってエアロポジションを維持しながら、最大限のパワーを発揮し続けることが可能になります。

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テスト結果

COLNAGOでは、風洞実験を常に2つの異なる条件で実施しています。

■バイク単体
(バイク本体+COLNAGO純正インテグレーテッドボトルシステム装着時/速度54km/h/ヨー角0°~15°)

CdA(バイク単体)
バイク単体における空気抵抗性能の指標

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CyA(バイク単体)
バイク単体における横風安定性能の指標

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横力係数(CyA)は、横風を受けた際にバイクに作用する横方向の空力荷重を示す指標です。この値は、横風環境下における走行安定性やステアリングの修正量、さらにはライダーの安心感に直接影響を与えるため、非常に重要なパラメータとされています。

TT2は、比較対象となる従来プラットフォームと比べて、高いヨー角領域においてより低い横力係数を示しました。横方向に作用する力が低減されたことで、バイクの挙動はより安定かつ予測しやすくなり、ライダーが行うステアリング修正の必要性を抑えることができます。その結果、ライダーはパワーの発揮とエアロポジションの維持に、より集中することが可能になります。

これらの改善は、横風がパフォーマンスに大きな影響を及ぼす実際のレース環境において、優れたコントロール性能と高い安心感の実現に貢献しています。

 

■レース仕様での総合評価
(バイク+マネキン+COLNAGO純正ボトルシステム装着時/速度55km/h/ヨー角0°~15°)

バイク単体での風洞試験は高い測定精度を得られる一方で、実際のレース環境を完全に再現しているわけではありません。実走においては、空気抵抗の大部分を占めるライダーとバイクが常に相互に影響し合っているためです。そのためCOLNAGOでは、バイク単体とライダーを含めた状態の両方において、一貫した結果が得られることを重視しています。

本資料で示すデータは、各試験条件について3回の測定を実施し、その平均値を採用しています。これにより、測定時に生じるばらつきを低減し、結果の信頼性を高めています。

マネキン(ライダー形状を再現した風洞試験用モデル)を含めた状態

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グラフおよび表の見方について

本資料で示すCdA(空気抵抗)およびCyA(横方向空力荷重)は、いずれも数値が小さいほど優れた性能を示します。CdAが小さいほど空気抵抗が少なく高速走行時の効率が高くなり、CyAが小さいほど横風による影響を受けにくく、安定した走行性能を発揮します。

ヨー角(Yaw)
グラフの横軸に示される「ヨー角」は、走行方向に対する風の入射角を表しています。例えば、ヨー角0°は風が走行方向と完全に一致している状態を示し、45°は風が完全な横風であり、その風速が走行速度と等しい状態を意味します。科学文献によると、実際の走行環境で最も多く発生するヨー角は0°から12.5°の範囲であり、それ以上の大きなヨー角は、強い横風が吹いた際などに限られる比較的まれな条件とされています。

WAD(Weighted Average Drag:加重平均空気抵抗)
WADは、各ヨー角における空気抵抗値に対して、その条件が実際に発生する確率を考慮した重み付けを行い算出した指標です。一般的に、発生頻度の高い小さなヨー角には大きな重みを、発生頻度の低い大きなヨー角には小さな重みが与えられます。これは、実際の走行環境で遭遇する風向の分布を反映し、現実のライドやレースに近い平均的な空気抵抗を評価するための手法です。

この値は、さまざまな走行条件における平均的な空力性能(または性能向上量)を示すものであり、実際のライドやレースにおける効果は、風向やコース特性によってこれより大きくなる場合も、小さくなる場合もあります。WADは直接測定された値ではないという見方もありますが、複数のヨー角で得られた測定結果を実際の走行条件に近づけて評価するための指標であり、横風環境におけるバイクの総合的な空力特性を直感的かつ実用的に比較するうえで、最も有効な手法のひとつと考えられています。

CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)
流体の挙動を数値解析と専用ソフトウェアによってシミュレーションする流体力学の一分野。自転車開発においては、バイク周辺の気流を解析し、さまざまな設計案の空力性能を評価するために用いられます。

CdA
空気抵抗係数(Cd)と前面投影面積(A)を掛け合わせた値。バイクとライダーが受ける空気抵抗の大きさを表す指標であり、一定の速度を維持するために必要な出力に直接影響します。

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フレーム重量

主要な空力断面形状を維持し、一部ではさらに改良を加えながらも、フレーム全体の構造は抜本的に見直されました。構造的な接合部を簡素化し、荷重の伝達経路を最適化することで、必要な材料使用量を削減するとともに、カーボン積層工程における製造精度を向上させ、構造効率を高めています。

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※ フレームキット総重量は、フレーム、フォーク、シートポスト、コックピットなどのカーボンパーツに加え、ヘッドセットや各種接続部の金属パーツおよびボルト類、さらにインテグレーテッドボトル/ボトルケージシステムを含めた値です。

特に、以下の部位に重点を置いて開発が進められました。

 
■リアトライアングルおよびシートステーとシートチューブの接合部

シートステーは、前面投影面積と空力的な影響を最小限に抑えるため、UCI規則で許容される最も低い位置に配置されています。一方で、リアホイール周辺の気流をより効果的にコントロールするため、ステーの幅を拡大。さらに、シートチューブとの接合部をより滑らかな形状とすることで、急激な形状変化を排除し、構造的な応力集中を低減しています。

 
■ボトムブラケット周辺

ボトムブラケット周辺は全面的に再設計され、より滑らかな形状のつながりと、より効率的な荷重伝達経路を実現しています。鋭い角部や急激な断面変化によって生じる局所的な応力集中を低減することで、必要な材料使用量を抑えながら、ねじり剛性とペダリング効率を向上させました。

また、新たなフレームアーキテクチャの採用により、カーボンファイバーの積層設計も一から見直されています。これにより、フレーム全体に高弾性カーボンファイバーをより広範囲に採用することが可能となり、トップレベルの競技に必要な剛性と強度を維持しながら、さらなる軽量化を実現しています。

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■フォーク

フォークは、TT2においてTT1から最も大きな変更が加えられたコンポーネントのひとつです。従来のベイヨネット構造に代わり、軽量化を実現しながらも極めて優れた空力性能を維持することを目的とした、まったく新しいアーキテクチャが採用されました。

この目標を達成するため、TT2では直径25mmのステアリングチューブを、極めてスリムなヘッドチューブ内に統合しています。さらに、ブレーキホースはステアリングチューブ上部から専用の構造体一体型エキスパンダーを経由し、そのままフレーム内部へと配索されます。これにより、ケーブルルーティングに必要なスペースを最小限に抑え、よりコンパクトなフロント周りの設計を可能にしています。

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■シートポスト

TT2のシートポストは、さらなる軽量化と空気抵抗の低減を目的として、幅と前後方向の寸法を見直した新設計となっています。また、幅広いライディングポジションに対応するため、オフセット量の異なる2種類の仕様を用意。セットバック0mm仕様と、プラス22.5mmのセットバック仕様を設定することで、さまざまなフィッティング要件やレースポジションに対応できるようになっています。

さらに、小型化された形状にもかかわらず、高度な内部リブ構造を採用することで、横方向の剛性とポジション保持性能を確保しています。この構造により、構造効率を高めながら、全体重量のさらなる低減を実現しました。

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ジオメトリー

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TT2のジオメトリーは、ライダーへの適合性、ポジションの自由度、快適性、そしてバイク全体のコントロール性能を向上させることを目的として、全面的に見直されました。

主な特徴は以下のとおりです。

• 幅広いフィッティングレンジ
フレームサイズを4種類に拡充するとともに、スタックとリーチの比率を見直すことで、ポジション設定の自由度を大幅に向上させました。特に、小柄なライダーから大柄なライダーまで、より幅広い体格への対応を可能にしています。

• 快適性とポジション自由度の向上
新しいジオメトリーと、よりフラットでコンパクトな新型インテグレーテッドコックピットの組み合わせにより、必要に応じてハンドルおよびエクステンションの位置をより高く設定することが可能になりました。これにより、空力性能を損なうことなく、より快適で長時間維持しやすいライディングポジションを実現。短距離のタイムトライアルだけでなく、トライアスロンを含む長時間の競技にも対応します。

• ハンドリング性能の向上
ヘッドアングルとフォークオフセットを最適化することで、より俊敏なステアリング特性、高いコーナリング精度、そして素早い方向転換性能を実現しました。特にテクニカルなレース環境において、その効果を発揮します。

• 現代のエアロポジションに最適化
立ったシートチューブ角と低いボトムブラケット高の組み合わせにより、ライダーがより前方に位置するアグレッシブなポジションを取りやすくなっています。これにより、コンパクトで空力効率の高いライディングフォームを実現しながら、効率的なパワー伝達と高い安定性を両立しています。

これらの改良により、TT2はより幅広いライディングポジションに対応しながら、現代のタイムトライアル競技に求められる空力性能、快適性、ハンドリング性能、そして効率性を高いレベルでバランスさせたプラットフォームとなっています。

 

その他の技術情報

・最大タイヤクリアランス:30-622(700×30C相当)
・ヘッドセットベアリング:39×30×6.5mm
・ボトムブラケット規格:BSA 68mm
・UDH対応 ※
・最大チェーンリングサイズ:70T

※UDH(Universal Derailleur Hanger):SRAMが提唱する共通ディレイラーハンガー規格。補修部品の入手性向上や、最新ドライブトレインとの互換性確保を目的としている。

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空力性能と軽量化が生み出す総合パフォーマンス

タイムトライアルバイクの性能を決定する重要な要素は、空力性能だけではありません。高速域での巡航効率を高めるエアロダイナミクスと、加速やコース変化への対応力を高める軽量性。この相反する2つの要素を高い次元で両立させることが、現代のタイムトライアルバイクに求められる重要な課題です。

一般的に、空力性能を追求するとフレーム形状は大型化し、必要な構造強度を確保するために重量増につながる傾向があります。一方で、軽量化を優先すると使用できる材料や形状に制約が生じ、空力性能とのバランスが難しくなります。

しかし、タイムトライアル競技では、一定速度で走り続けるだけではなく、コーナーからの立ち上がり、登坂区間、加減速を伴うテクニカルなセクションなど、さまざまな状況で高い運動性能が求められます。軽量なバイクは、こうした速度変化に対してより俊敏に反応し、ライダーの入力を効率よく走行性能へ変換します。

今回の開発では、空力断面形状の最適化による空気抵抗の低減と、フレーム構造の見直しによる軽量化を同時に実現しました。空力性能を高めながら重量増を抑え、さらに約550gの軽量化を達成したことで、高速巡航性能だけでなく、加速性能やハンドリング性能を含めた総合的な運動性能を大きく向上させています。

エアロダイナミクスと軽量性。その両方を妥協なく追求することで、現代の複雑化したタイムトライアルコースに対応する、より速く、より効率的で、より高い競争力を備えたプラットフォームが完成しました。

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